2026/07/06 02:58
エチオピア イルガチェフェ ドビは、ナチュラルプロセス特有の官能性を持ちながら、どこか爽やかさも感じるコーヒー。ブラジルのパルプドナチュラルやコスタリカのハニーのようなバランスの良さを思い出す、ウェギダ村、8名の農家さんが育てた G-1 ナチュラルのコーヒーです。

イルガチェフェとドビ——「湿地と草原」の南端
イルガチェフェという地名は、オロモ語で「湿地と草原」という意味。この語源のとおり、エチオピア南部ゲデオゾーンのこの地域は、年間降水量が豊かな水源に恵まれたコーヒー産地です。
イルガチェフェはエチオピアのコーヒーの中でもメジャーな地域ですので、見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回ラインナップしたドビはイルガチェフェ南端、ウェギダ村に位置しています。
このロットを輸出するシッパー(shipper)の“G Broad Trading PLC”は、2016年からゲデオ地域の120名以上の小規模農家さんと関係を築いており、創業者のゲトゥ・ベケレさんはJARC(エチオピア農業研究センター)出身のコーヒー育成家です。
今回シッパーである“G Broad Trading PLC”が行ったプログラムに参加した8名の農家さんの手でつくられたマイクロロットコーヒーが、今回ご紹介するドビのナチュラルになります。
大量生産大量消費の真逆と云える、生産者がコーヒーと真摯に向き合って生まれたカップは私たちにどんな表情をみせてくれるのでしょうか。

奥行きを感じる飲みやすさ。エチオピア イルガチェフェ・ドビのナチュラルコーヒーは、2つの顔を持っています。
8人の農家さんが手がけたマイクロロットのドビが持つ2つの特徴とはどのようなものでしょう。端的に言えば、
・ナチュラルらしい果実味と発酵感
・ウオッシュ°由来の透明感と明晰さ
ですね。
それではこの特徴を、テイスティングノートを参考にしながらみていきましょう。
テイスティングノートが示すドビの個性
公式のテイスティングノートには、ジャスミン、甘いオレンジ、明るい酸味、ジューシー、グッドバランス、といった言葉が並びます。
ジャスミンは、エチオピアのナチュラル精製で感じる艶やかな花の香り、甘いオレンジは柑橘系の甘さ。これらは官能性要素です。
同時に、明るい酸味という高地由来の透明な酸、爽やかで透き通った酸味を表す言葉が続きます。これはウオッシュドプロセスのコーヒーで見ることの多い表現で、ジューシーは、瑞々しいベリー感の果実味であることが想像できます。
つまりドビには、「ナチュラルとウオッシュの特徴が同居しているコーヒーです」、と表明していますね。
私たちが最初に焙煎してカッピングした時、「ん?これはナチュラルだけど花の香りのような官能性だけでなく、ウオッシュのようなスッキリ感もあるな」と感じたものと一致しています。
最後にちょこんと記載された「グッドバランス」は、テイスティングノートでよく見る単語ですが、ドビでいう「グッドバランス」は、
・過度な甘さも酸味もなく、それでいて奥行きのある飲みやすさが同居している
という意味の、「グッドバランス」、なのだと思います。

【月夜と珈琲的 おすすめの淹れ方】
前提として、コーヒーの淹れ方に「絶対の正解」はありません。ここで紹介するのは、あくまで私たちが美味しいと感じる一つの方法です。ぜひ、ご自身の好みに合わせて調整してみてください。
お湯の温度:84~88℃
*ストライクゾーンが広いコーヒーです。
粉の挽き目:中挽き
淹れ方:蒸らしは30秒ほど。豆の1.5~2倍の湯量を目安にお湯をゆっくり、少しずつおとします。
その後、豆の12~15倍のお湯を、2~3回に分けてドリップし、2分以内に注ぎきります。
お湯が落ち切ったら完成です。
*濃いめ温め長めに淹れると複雑な味わいに、苦味をおさえるなら温め短めがおすすめです。
【飲み頃について】
月夜と珈琲的には、焙煎から1週間ほど経過してから飲み頃に入ると感じています。
焙煎直後はコーヒー豆に含まれるCO2がスムースな抽出を妨げるためです。
焙煎後3日ほどはDegassingというCO2を多く排出している期間なので、不均一でキャラクターのバランスが崩れた抽出になりがちです。
4~7日経過していく中で徐々にDegassingが進み、1週間を経過したころから風味に調和が生まれ、まとまっていきます。
ここから21日目くらいまでが飲み頃の旬です。もちろん、21日経過以降も美味しく頂けますが、焙煎から42日=6週間くらいまでに飲みきるのがオススメです。
お手元に届いたら、少し寝かしてみる。それもまた、コーヒーを愉しむ一つの方法。
焙煎から早い時期のフレッシュな香りを楽しんだり、日を追うごとに変化する味わいを比べてみるのも面白いですよ。
